ビスクドールとは?

「二度焼き」を語源に持つ磁器製の人形の事です。
実際には完成までに6〜7回の焼成を繰り返します。

人肌に近い質感の頭部と美しい衣装をまとった人形は、
19世紀を中心に黄金時代を築き上げていきました。

アトリエAngel Rocoでは、当時の高等な制作技術を忠実に再現しています。
ここでは、その制作工程をご紹介します。

ビスクドールの製造工程

1、型とり

アンティークドールから型どりした石膏型に、
粘土を流し込み顔の型どりをする。
2、乾燥

型どりした顔を石膏型から取り出し、
生乾きのうちに後頭部を切り取りピアスの穴を開ける。

その後、自然乾燥させ低温で半焼きして硬度を持たせる。
3、目きり

水にしばらくつけておき、水分を含ませる。

目を切り抜き、ガラス目をフィットさせるため
目の裏側を薄く削る。

目切りは顔の出来映えを決定する重要な作業である上、
生地はデリケートで壊れやすいので最新の注意を要する。
4、焼成

顔全体に磨きをかけ、傷が無いのを確かめた上で釜に入れ、
粘約1200℃で8〜10時間かけて焼く。

この段階で粘土が磁器(ビスク)になる。
5、肌色付け

焼きあがった顔を再度磨き、不純物を洗い流した後、
肌色をまんべんなく塗る。

釜に入れて約750℃で焼き付ける。
6、絵付け

マツゲを描き、まゆの下を下描き、
口、鼻腔、頬に色付けをして窯に入れ、
約730℃で焼き付ける。
7、絵付け(2回目〜5回目)

眉を描き、目や口元に立体感を出すために
さらに3〜4回絵付けと焼付けを繰り返す。

絵付けは人形の表情を決定するので熟練を要する。
8、目入れ

全体の色合いが整って絵付けを終えた顔に、
ガラスの目を入れて顔が完成する。

目を入れると人形に生気がでる。

人形のイメージにあった目玉を入手することも、
重要な課題である。
9、ボディ・かつら付け

完成した顔をコンポジションボディと繋ぎ、
後頭部をペイトでふさぐ。

モヘアでかつらを作り、好みの髪型にセットする。
10、衣装作り

人形のイメージに合わせて選んだ素材で、
下着、洋服、帽子などを作る。
11、小物作り

さらに靴、靴下、アクセサリーなど
必要な小物を吟味してそろえていく。
12、完成

人形に衣装を着せ、小物を付ける。
全体のバランスをチェックして完成。